足の健康は、地面に着地する足底から膝関節、股関節、脊椎とトータルのバランスが重要です。
人工膝関節によってO脚やX脚が改善しても、重度の外反母趾やリウマチ性疾患などによって足の指や足関節に問題があると、膝関節に不自然な負荷がかかり、下肢全体の健康だけでなく、人工膝関節の寿命にも影響することがあります。
外反母趾は、母趾(足の親指)が付け根の部分でくの字に曲がって変形している状態で、中には足の指が脱臼したまま歩いている人も少 なくありません。
痛みをかばいながら歩くことによって膝関節に偏った負担がかかり続けると、変形性膝関節症の原因になることもあります。
原因は、幅の狭いつま先が細くなった靴を履くと母趾のつけ根から先が圧迫されて変形します。
ヒールの高い靴はつけ根にかかる力が増えてさらに変形を強くします。
10代に起こるものは、母趾が人差し指より長かったり、生まれつき扁平足ぎみであったりすると外反母趾になりやすい。という特徴があります。
最も多い中年期のものは、履物に加えて、肥満と筋力低下などによっておこります。
健常な足には、縦のアーチだけでなく横のアーチがあります。
外反母趾では、これらのアーチが崩れて扁平足になると、母趾の中足骨が扇状に内側に開き、それから先の指は逆に靴で外側に圧迫されておこります。
治療方法は、足の変形具合と痛みの様子によって保存療法または、手術療法をおこないます。
◎予防と保存療法
●母趾のつけ根にフィットして、先はゆったりした履物にする。
●足の指すべてを開く運動(グー・チョキ・パーのような)を毎日行う。
●左右両方の母趾に輪ゴムをかけて、足先を開く運動を毎日行う。
●足底板(インソール)を使って足底の骨の並びを整える。
●母趾と第2趾の間に装具をはめる。
◎手術療法
痛みがあり、保存療法で症状が改善しない、靴を履いての歩行が辛い場合、手術療法を検討します。
外反母趾の手術方法は、複数あり、変形の程度や痛む部位によって術式を選択します。
母趾の変形矯正だけでなく、第2~5趾の変形矯正や短縮術を併用することもあります。
矯正方法も軟部組織だけで行う方法、骨切り術で行う方法、これらを組み合わせて行う方法があります。一般的には中足骨という足の甲の骨を切って、変形を矯正し金属のプレートやワイヤー、スクリューなどで固定します。
変形が矯正されても、根本にある外反母趾になっていく傾向がなくなるわけではない為、年単位の経過によって症状が再燃することがあります。
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曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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